私と家族の物語

自分史活用アドバイザーが描く家族史プロジェクト

誰かの役に立つ喜びを多く体験してきてほしいから

100人と書く一枚の自分史プロジェクト

 

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2010年9月から、60歳の定年退職後からこれまで、滋賀の中学校に「職業体験前のマナー講習会」をお届けに行っています。

2011年、東日本大震災のあった年です。震源地以外にも日本中が揺らいでいた。そんな気がしていました。

見ただけではいつもの中学生と何ら変わらない姿がありましたが、この地域では、いじめが原因の自殺者が出たことで、大きく報道されたこともあり、地域全体が大きく軸が揺らいでいると肌で感じるものがありました。

元々、中学生という年頃は、どうも物事に真剣に取り組むことに照れがある世代らしい、どちらかと言うとマナーを伝えるには手ごわい相手でした。

大人として、どう向かい合うか?
私はキャリアカウンセラーとしてまた、体験学習を受け入れる職場側として、保護者として多くの視点を持って向かい合ってきました。 

会社に勤めていた総務部時代、職場体験の中学生を毎年受け入れていました。

繊維メーカーでしたので、工場に体験配属をお願いしにいくと、必ず、まずはこう言われました。

「自分たちの仕事は生産を上げることである」
「中学生は足手まといになるから、生産性が落ちる」
「本音は断わってほしい」

そこで
「私が、常に巡回して目を配ってフォローしますから!」
お願いし倒して、引き受けてもらっていました。

ですが…、結果、生産性は落ちていなかったと思います。
職場に中学生がいると、工場の現場の人たちは、ええとこ見せたくて、いつもより頑張るのです。
現場の人たちは、優しく厳しく、本当によく面倒をみてくださいました。指導しているお顔が楽しそうでした。
中学生たちも懸命に聞いて働いてくれました。

職場がキラキラ輝いていました。 人の間は双方向で動くことを目の当たりにしたものでした。

私と一緒で、預かった人は昼間は仕事になっていませんでした。
中学生たちが帰った後残業して、仕事を片付けていました。

そんな私の体験談から講座は始まります。

たくさんの理解があってはじめて、職場体験できることを感謝をして職場に赴いてくださいとお伝えしています。 

ならば、感謝をどう伝えますか?

心は見えないから、形にしましょう。
マナーとは人との関係の潤滑油、感謝を表すことにも繋がる。
言葉と行動にする。
服装を整えることは、心を整えること。言葉に心を吹き込んで丁寧に。
心が伝わる仕草で。

ロールプレイングして、友達の姿に自分を見る。

そうして、最後は未来質問、10年後の叶えたい自分を描いて表現する。
そのために今できることを話し合う時間をとっています。

その年によって、生徒さんの傾向が違っていて面白いです。

元気な年、大人しい年、素直で扱い易い年、難しい年、歳(干支)廻りってありますね〜!
この年は、少し難しい年?だったかもしれません。
講座の直前に、先生にお叱りを受けていたとのこと…、それででしょうか、どんより感がありました。モチベーション下がっていたのですね。食いつき悪っ!と感じてました。

ところが、休憩の時の元気のいいこと、いいこと。そんな大きな声が出るんだ!って、クスッて笑ってしまうぐらい。
この写真は最後に未来質問をしている時間です。
10年後、どんな仕事をしているかを質問し合っています。
 
中学生にとって、マナーって思うだけでハードルが高いのですね。職場という未体験ゾーンに対する不安もある。まだ、まだ子どもでも、中学生にしかできないことがある。
それをお願いしています。
職場体験では、仕事をして、誰かの役に立って嬉しい!という経験をたくさんしてきて下さい!と。

教えません。お願いなのです。

その喜びの体験が、将来幸せになる種を蒔くことになると信じています。

コロナで届けることができなくなりました。職場体験そのものができない。先生方は苦労して、何とかそれをカバーしようとして、せめて座学だけでもとご依頼くださいましたが叶いませんでした。

私もお届けしたい。何とか、形を作ってオンラインで届けることができないか。それを今、模索中です。

子どもたちの成長は待ってくれません。中学2年生は一生で一回ですから。

本当は、経験をたくさん積んできてほしいけれど、せめてという思いでいます。